杭全神社の夏祭は、毎年7月11日から14日まで、四日間に亘り行われます。
期間中には九台のだんじりの曳行があり、大阪でも指折りの規模を誇るだんじり祭りとして、毎年30万人を超えるとも言われる大勢の人出で賑わいます。
目次
夏祭のあらまし
悪疫や地震・雷などの天災を鎮めようとして、平安時代初期に始まった祇園会(ぎおんえ)が次第に祭礼としての形を整え、賑わいを見せるようになったもので、江戸時代中頃から神輿や太鼓台、だんじりを出し物とする現在の姿になりました。
祭の意義は、日頃の神恩に感謝し、神威を益々高めていただこうと神様に心尽くしの「もてなし」をするもので、太鼓台や神輿、だんじりが大勢の人に囲まれて賑やかに練り歩き、町に活気が溢れます。盛大に行事を行うことによって神威が向上し、やがて御神徳が町中にもたらされると考えるのです。
悠久の平野郷の歴史の中で、時代時代の流れを取り入れつつも、神様を戴く神輿の渡御を中心とする「神社の祭」と、だんじりの賑わいを以て神恩に報いようとする「町衆の祭」が一体となって、変わることなき根本の精神――祈る心を守り伝えています。
神輿について
神輿とは、言わば神様の乗り物で、普段は第一本殿にお祀りされている、素盞嗚尊の御神体をお遷ししております。
夏は食中毒や疫病の流行る季節として、昔から恐れられてきました。
かつて素盞嗚尊が、疫病除けの方法を教えられた故事から、この時期に神様のお出ましを仰ぎ、氏子の健康と地域の安全を祈願するものです。
その年のだんじり宮入二番町にご奉仕をいただきます。
見られる時間帯
時刻 | 場所 | |
11日 | 午前10時頃 | 杭全神社拝殿前 |
午後3時まで町内を運行 | ||
午後3時 | 樋之尻橋たもと | |
午後5時頃まで町内を運行 | ||
午後5時頃 | 杭全神社大鳥居前 | |
14日 | 午前10時頃 | 杭全神社拝殿前 |
午後3時まで町内を運行 | ||
午後3時 | 赤留比賣命神社 | |
午後9時頃まで町内を運行 | ||
午後9時頃 | 杭全神社大鳥居前 |
上記時間外は拝殿内に鎮座されています。
太鼓台について
布団太鼓とも呼ばれ、神輿の御移動を町に知らせ、道中の露払いをする役目があります。
その年の宮入一番町より選ばれた、3~12歳くらいの男児が赤い投げ頭巾を被り、化粧をした敲児(たたきこ)として奉仕します。敲児は、地面に足を触れないように肩車で移動するなど、神事に携わるための潔斎を重ねて祭礼に臨みます。
見られる時間帯
時刻 | 場所 | |
11日 | 午前6時頃 | 杭全神社太鼓庫前 |
午後8時頃まで町内を運行 | ||
午後8時頃 | 杭全神社大鳥居前 | |
14日 | 午前9時頃 | 杭全神社太鼓庫前 |
午後7時頃まで町内を運行 | ||
午後7時頃 | 杭全神社大鳥居前 |
上記時間外は太鼓庫で見ることができます。
だんじりについて
現在杭全神社に宮入するのは、九町(野東・野南・野北・流町・市町・背戸口町・西脇・泥堂・馬場)が所有する九台のだんじりです。
弘化二年(1845)に作られた市町のだんじりが、現存する中では最も古く、また、記録に残るのは延享二年(1745)製作の馬場町の初代だんじりが最初とされています。
参考:『平成27年度杭全神社平野郷夏まつり』
見られる時間帯
時刻 | 場所 | |
12日 | 午前9時頃~ | 各町内 |
午後9時45分 | 南港通 | |
13日 | 午前11時頃~ | 各町内 |
午後7時 | 杭全神社大鳥居 |
見どころ
九町合同曳行
12日 午後9時45分
場所 南港通
九台のだんじりが勇壮な競演を繰り広げます。全てのだんじりが同時に動く様を見られるのは期間中このときだけで、南港通は多くの観衆で熱気に包まれます。
だんじり宮入
13日 午後7時
場所 宮前交差点~杭全神社大門前
宮入一番町から約30分間隔、およそ4時間半をかけて九町のだんじりが次々に宮入りする、夏祭の中で最も賑わう場面。
御旅所祭
14日 午後3時
場所 赤留比賣命神社~杭全神社
赤留比賣命神社境内にて御旅所祭を執り行ったのち、所縁の寺院2箇所でも、それぞれ神事を執り行います。
供奉行列を先導する、猿田彦神(天狗さん)の羽団扇で頭を撫でてもらうと良い子に育つと言われ、道中各所でその光景が見られます。